劇場版「赤毛のアン〜グリーンゲーブルズへの道」についての質問です。
TVシリーズのDVD(全部ではありませんが)を見てから、LDの劇場版を見ました。
「ハイジ」の場合と同じようにテレビシリーズを編集したもののようですが、
「ハイジ」の劇場版とは違って、最初の部分(アンがグリーンゲイブルズに
住むことが決まるところまで)だけを扱っています。
どうして、このような形になったのか。いつ、どのように公開されたのか。
どなたかご存知のかた、教えてください。
よろしくお願いします。
テレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」も「赤毛のアン」と同じスタッフで作られたもの
ですが(製作会社は違います)、その劇場版は製作会社がスタッフに断りなしに勝手に編集
して作ったもので、公開後に裁判になっています。その時、反対運動のトップだったのが、
後に「火垂るの墓」や「となりのトトロ」を作った高畑勲監督や、宮崎駿監督でした。
「赤毛のアン」も、ずいぶん前から企画はあったのに、「テレビ用に完成されたものを、
短く編集することは出来ない」という高畑監督の意向で、劇場用に再編集する企画は長い
こと実現できませんでした。
しかし、アニメの「赤毛のアン」を劇場で観たいという、ファンの声があまりに多かった
ので、時間をかけて説得した結果、「ただストーリーを追うだけの棒つなぎにはしない」
という高畑監督の出された条件で作られたものです。
子供が劇場で見ていられる時間に収めるために、結果としてアンがグリーンゲイブルズに
いられるようになるまでの、物語の冒頭部分だけの収録となりました。
すでに日本アニメを退社されていた高畑勲監督を、このために呼び戻して編集して戴いた
ので、これは流行りのディレクターズカット? ですね。
一応、続編も作れるように最後をまとめてあります。
「ハイジ」はテレビ版と関係なく吹き替えが行われたので、キャラクターの声に違和感が
ありましたが、この「赤毛のアン」ではテレビと声が同じです。マリラ役の北原文枝さん
がすでに亡くなっていたので、音声もテレビ版を編集して使うなど、苦労がありました。
テレビアニメは普通、コストを下げるために16mmフィルムで撮影されますが、「ハイジ」
や「赤毛のアン」などの名作アニメのシリーズは、作品の質を向上するために、すべて劇
場映画と同じ35mmフィルムで撮影されています。そのために映画館の大きなスクリーンに
も遜色ないクオリティー上映することができるのです。余談ですが、サリバンフィルムの
「赤毛のアン」は、実はテレビドラマとして作られたので、16mmフィルムを拡大プリント
しているため、劇場で観ると画像が荒れているのに気づかれるでしょう。
そんないわくがあったので完成が大幅に遅れ、劇場版「赤毛のアン〜グリーンゲーブルズ
への道」はロードショー公開されず、各地の親子劇場などの上映会を中心に、今でも日本
各地を巡回上映しています。ちゃんしたとパンフレットも売ってるんですよ。
ビデオとレーザーディスクも発売されています。
完成はたしか、10年ほど前だったと思います。
こんなにすぐに適切なお答えがきて驚いています。
「劇場版」と銘打っているのに、データベースなどに劇場公開の記録が
ない理由がやっとわかりました。
ましうさんの『世界名作劇場大全』にも載っていなかったことですよね。
ありがとうございました。
>ましうさんの『世界名作劇場大全』にも載っていなかったことですよね。
忘れてました。なはは(^_^)ゞ